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2017年3月7日火曜日

プラスチックごみを再生することで作成できる"道路"「プラスチック・ロード」の実用性は?


 いいことばかりなのかどうかは…?
 青木無常でござる。うむ。

ブロック(素材使用)


 先日Facebookでおもしろい動画を発見いたしました。

 画期的な新型「道路」の動画であります。

 道路のアスファルト部分がユニット状というかブロック状みたいな感じになっていて、取り外して新しいものに入れ替えることも可能。

 ペットボトルなどの廃プラスチックから生成されるらしく、運搬も設置もかなり簡便そうに見えます。

 また雨などの排水対策もきちんとされているらしく…と、動画を見る限りでは至れり尽くせり、いいこと尽くめのようにも見える、いってしまえばエコ対策対応済の夢の新素材による未来の道路。

 うん。もちろん実際の動画で確認したいですよね。埋め込みますよ。もちろん。(^_^)↓





 なんかオランダの建設会社がプラスチックごみを「アップサイクル」することで道路の舗装の実現を目指すプロジェクト「PlasticRoad」というものなのだそうです。


greenz.jp 2015.11.16
海の生態系を守るために始めた、オランダの建設会社の挑戦! プラスチックごみで道路づくり目指すプロジェクト「PlasticRoad」って?
http://greenz.jp/2015/11/16/plasticroad/


 こちらの記事によると「PlasticRoad」には5つのメリットがあるとのこと。




  メリット1.土の上に直接設置できる


 これはアスファルト道路がどういう形で作られているかということをご存知なければピンとこないカモですが、私は道路工事の交通誘導警備員をやっておりますので、一般のみなさまよりはけっこう詳細に知っている。

片交(素材)


 アスファルトってのは土の上に直接ポコンとおかれているわけではなく、いくつかの層を重ねて作られています。

 上のgreenzの記事によると

表層部分の下に、アスファルトの基層、砕石やセメントによる上層基盤、クラッシャンを用いた下層基盤、さらに路床を構築
するとあります。

 経験的に解説すると、一番下に砂に転圧を加えて固めた「基礎」をつくる。

 道路工事で作業員のおっさんがバタバタでかい音を立てて上下に跳ねまわってる重そうな機械(ランマとかランマーとかいいます)で地面を突きまくってる姿をご覧になったことがあるカモですが、アレですね。


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 アレで土を固めてから、砕石(まあ砂利ですな。クラッシャンてのもこれの一種らしい)をその上にまいてまたバタバタ固めつつならしていく。

 その上にようやく、熱々のアスファルト(正確にはアスファルト合材、略して「合材」と通称)をのせて固めてようやく完成。

 砂の層、砕石の層、アスファルトの層それぞれ、道路の大きさ(というか行政区分?)によって厳密に決められていて、都内の国道とかだと何十センチとかの厚さのものを何層も重ねなければならないみたいだから大変です。

 工事の途中にデカい定規のようなものを作業員に持たせて監督とかが写真を撮っている姿もよく見かけると思います。

 アレは「手抜きしてないよ」「量をケチってごまかしたりしてないよ」というお上に提出するための証拠として撮影しているらしいです。

(もっとも、定規を斜めに立てて厚さをごまかしているケースもあるとかないとか…いや、私ゃ知りませんがね)

カッター(素材)


 容易にご想像いただけると思いますが、手間も資源も人手も時間も、ひいてはお金もたいへんかかりまくる。

 だからこそ土建屋が儲かる基盤もあるんでしょうけどね。

 これらを全部なくして、土の上に直接、プラスチックから生成されたユニットをポンとおくだけで道路が完成するんなら、相当の経費削減につながる。と思う。

 もっとも、公共事業としての工事の規模が大幅に削減されるわけだから。

 国庫から民間へ公金が放出される、という構造そのものが根本的に削減されてしまうわけで、経済学的に単純に「経費削減めでたしめでたし」となるかどうかは微妙なのカモしれませんが。




  メリット2.「事前組み立て式」である


 工場であらかじめ作ってしまえるので、道路の一部が欠損してもすみやかに簡単に交換可能ってこと。




  メリット3.耐久性


 従来のアスファルトの3倍、50年も保つのだとか。

老朽化(素材)


 さらには、低温にも高温にも強いそうで、そのスパンは-40℃から80℃くらいは軽く大丈夫なんですってさ。



  メリット4.空洞部にインフラ設置可能


 動画を見ればおわかりのとおり、ユニットの構造内は空洞になっているので、そこに上下水道やケーブルを通すことができる、という話。

 この部分は、実は私は疑問に思います。

 水道、ガス、電話、電気、etc.etc.と地面の下に埋まっている管やケーブルその他の類は多岐にわたっており、それぞれ管轄がまったくちがう。

 NTTが工事するときにガス屋とか他の会社とかが同時に工事することは通常あり得ません(現場にそれぞれの担当者がきて異常が発生していないかどうかは一応監視してるけど、だいたいどこも複数現場掛け持ち)。

 でも複数のケーブルや管類が同じ部分に通されているとなると、ユニットひとつを持ち上げるたびにすべての会社の工事作業員が同席して作業しなければならなくなりかねない。


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 ま、解決策も簡単ですがね。

 動画みたいにユニットひとつが一体成型になっていると、中を通す管やケーブルの一部に破損とか発生するたびに大騒ぎになりかねないけど、蓋みたいに上から開閉できる構造にしてしまえばむしろより簡単で便利にできるんで。

 これだったらマンホールより工事の規模を小さくできる場合だってある。



  メリット5.風土や場所に合わせて調整可能


 ユニットとして成形するわけだからそれぞれの性質を簡単に調整できるので、たとえば
雨がよく降る地域では排水のいい性質にしたり、固さを変えることもできる
との由。



雨の路面(素材)


 動画をはじめてみた時点で、私はこれは「夢の技術」であり、道路工事に革命的な変化がもたらされる福音であると思いました。

 車線をつぶしたり歩道をつぶしたり、場所によっては片側交互通行になったりと、道路工事が交通渋滞や混乱の大きな原因になっていることはどなたも身に覚えのある事象なのではないかと思います。

 公道上であれば大部分の工事は、配管にしろ入替にしろ穴を掘ったら埋め戻さなければならない。

 この工程だと、穴を掘る、配管する、穴を埋める(仮復旧)という段取りが絶対に必要だし、交通量が多くなる時間にかからないようにする必要性もあるためこれらの工程を予定時間内に確実に終わらせなければならない。

渋滞(素材)


 だからその分、時間的に余裕も見なければならなくなるし、いきおい一度に工事することができる規模(距離)も限定される。

 ま、24時間片側交互通行で工事を行っているような現場もありますけど、そういう現場はそういう現場で別の種類の負担が巨大だったりもするみたいだし。

 古くなった管やケーブルを交換するのにこういう段取りがすべて不要になるとしたら。

 穴を掘る必要もないわけだからその時間を短縮できるし(はっきりいって現状は掘ったり埋めたりする時間が一番とられていると思う)、蓋をパカッとあけてちょこちょこっと入れ替えて終了、という簡便さも画期的。

 これであれば、道路を占有する時間か、もしくは工期そのものを短縮できる。

 利権とか上にちらっと書いた経済的動向に関しては私ゃさっぱりわかりませんから、そういう部分はおいといて、の話なんですがね。



利権(素材使用)


 ただ。

 それほど単純にいくかどうかはわからないカモ、という記述にも、出会ってしまいました。


Engadget 2015年7月21日
アスファルトを置き換える廃プラスチック製道路 PlasticRoad、ロッテルダムでテスト予定
http://japanese.engadget.com/2015/07/21/plasticroad/


 原価とか雨天時の路面グリップとかについては、開発者やインフラ整備の担当者に考えていただけばよいことだろうけど。

 Engadgetの記事の最終段に、気になる記述が。すなわち、
オランダ周辺はほとんど地震の発生しない地域。日本のような地震国で(中空で比重も軽い)このプラスチック道路を施工した場合、大きな地震の際に液状化現象が発生して道路がガタガタに浮いて
しまうカモ…という…

 そうか。地震かあ…



地震(素材使用)


 砕石や合材の多層構造が地震に対して強いから採用されているのかどうかは私にはわかりませんが。

 たしかに、地面の上にポンとおいただけのプラスチックのかたまり。

 重量もあまりないような気もするし、ちょっと地震がきただけでいきなりブロックがズレてガタガタに…という光景は確かに、想像するに難くない…



 素人考えではあるんですが、解決策が想像できないのは確かなんですよねえ。




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 ま、それ以前に相当たくさんハードルが控えていそうだし、こういう形態の道路が一般化するのはまだまだ先の話なのカモしれませんけど。

 つか。さらにそれよりもっともっともっと前に。

 私が心配する筋合いの話でも、まったく、カケラも、ないんだけどネはははは。(`▽´)



 身体の老朽化した部分をユニット交換できないものかと夢想しつつ本日はこのへんで。
 最後まで読んでくれてありがとう。
 それでは、また~(^_^)/~~