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2017年3月16日木曜日

ゲノム編集作物は遺伝子組換え作物とどこがどうちがうのか? 安全性や可能性に期待していいのか、あるいは…?


 はあ? 遺伝子とゲノムってちがうんですか?
 青木無常でございますわえ。

連理樹(素材使用)


 のっけからツッコミ必至の疑問を表明してしまいましたが。(`▽´)

 正直よくわからんしどっちでもいいのでさしあたりくわしく調べるのは棚上げにしました。

 本題に関係ないしね。

 で、先日は遺伝子組み換え作物について、識者には今更な感じの俯瞰をおこなってみたわけですが、なぜそんなことを調べたかというとこれがぢつはこの、ゲノム編集作物というお題に触れていたからなのでございます。

 正確にいうと、この分野の話は作物に限らず、ゲノム編集という技術そのものが人類規模で注目を集めているらしいのですが。

 とりあえず本日は「作物」中心で触れていきたいと思います。んじゃいくね。


TOCANA 2017.01.16
「遺伝子組換え食品」ならぬ「ゲノム編集食品」がもうすぐ日本の食卓に! 理学博士が緊急警告「リスク未知数」
http://tocana.jp/2017/01/post_12034_entry.html


 いつものツッコミ系ネタの宝庫「TOCANA」なんですが、この記事はざっと見たところ「トンデモ」系の部分は特に見当たらないのでとりあえずとっかかりとして。

極小(素材使用)


 記事の概要としては、遺伝子組換えよりも新しい技術であるとおぼしきゲノム編集という技術が躍進めざましく、近々この技術をベースとした食品が開発されるのではないか、という内容。

 で、どちらの技術も素人目には似たような感じで区別がつかないのですが、遺伝子組み換えとゲノム編集の違いはというと。

 簡単にいってしまえば。

 遺伝子組み換えはもともとはなかった遺伝子を外部からもってきてかけあわせ、新しい形質を獲得させる技術。

 対するゲノム編集は…外から遺伝子を導入するのではなく、狙った遺伝子の特定部位で変異を起こさせることで、新しい形質や性質を持たせる技術。だそうです。

 より具体的にいうと、ゲノム編集は遺伝子の特定部位を「切る」ことにより変異を起こさせる。

 なんか遺伝子ってものは、ぶった切るとその部分を自分で修復しようとする性質があり、そのときに一定の確率で「間違い」(つまり変異?)が起こる、というようなことらしい。

 で、この両者の特質の違いの何が重要かというと、遺伝子組み換えよりゲノム編集のほうが簡便でかける時間も短くすむ、ということなんだそうです。ふむふむ。


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 たとえば先日の記事で紹介した「除草剤に強い」という性質を作物に持たせたいとする。

 その場合、遺伝子組み換えは偶然に頼る比重が大きい。

 膨大な量のトライ&エラーの果てに狙っていた性質が出てきたらそれをピックアップする、という、ぶっちゃけ単なる「運頼み」の方法。

 山のような失敗の果てになんとか狙った性質が出てきてくれることを期待する、というような、労力と時間とコストを要する非効率的な方法である、ということなのだそうで。

 対してゲノ編のほうは最初から狙ってピンポイントに特定の場所を操作できる。

 その結果、

従来よりはるかに短時間かつ低コストで作れるようになった
んですってよ。

 だから、除草剤に対する耐性が強い遺伝子も効率よく導入できるってなことだそうです。

「正確」であるという点と「短期間」という点がゲノム編集のアドバンテージといってよいのではないかという感じですかね。



切断(素材使用)


 で、遺伝子組み換え作物は除草剤に強い(から、農薬バンバン使っても枯れない)とか害虫に強いとかいう特質が現実に活かされている(はずだった)というあたりは前回見てきたとおりなんですが。

 ゲノ編はもっと応用範囲を広くできる。らしい。

 魚を大型化させたり腐らないトマトを作ったり収穫量の多いお米ができたり、あまり暴れないマグロを作ったり、といった成果は、現実に日本であがっているものなのだそうです。

 食糧関連のほかにも健康関係とか、エネルギー問題にまで応用が期待されているのだとか。


トレンドピックアップ
ゲノム編集技術とは?~その原理と応用
http://santa001.com/ゲノム編集とは?~その現状-2131


現場(素材使用)


 ゲノ編によって植物から油を大量に抽出できるようにする研究が行われているらしく、石油にかわるエネルギー源にできるんじゃないかとか。

 健康関連にしても、エイズ治療の研究や臨床試験まで行われているとか、筋ジストロフィーや白血病といった難病の治療に「ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療」が応用されているんだとか。

 治療や予防のみならず、寿命を左右する遺伝子が見つかるのであればそれを編集することすらできるんじゃないかとか考えている向きもあるとかないとか。

 究極は、不老不死ですな。

 この点(不老不死)はちょいとほとんど言及しているところがないのでもしかしたら眉唾な部分なのカモですが、まあ実際お題目どおりの効果が発揮されるなら至れり尽くせり…



 …といいたいとろこなんですが、遺伝子組み換えだってそもそものお題目は似たようなもんだったんじゃないかと。

 リスク管理はどうなっているのか、という話です、つまり。




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 ゲノ編がいかに「正確」とはいえ、正確なのはターゲットの選定部分のみで、簡単に大量にできるから確率はあがるんでしょうけど運頼みであることはかわらないんじゃないかな、という感じだし。

 そもそもこの方法でも自由自在とはいかないらしく、意図しない場所に変異が生じてしまったり(『オフターゲット変異』)もするし、遺伝子組み換えと同様、外で育てるリスクは未知数でもある。

 遺伝子組み換えでも改変された性質が勝手に流出してしまうという「汚染」そのものの状況が報告されていましたが、ゲノム編集の場合も事情は同じらしい。

「オフターゲット変異」ってのはよくわからないけど(^_^;)、要するに設計ミスで意図も予期もしていなかった問題が生じる可能性があるってことなのかな。


Tanet(たねっと) 2016-06-26 23:29
「ゲノム編集食用作物~技術と問題点、社会的課題について~」講演映像および講演要旨
http://nongmseed.jp/?p=1394">http://nongmseed.jp/?p=1394">http://nongmseed.jp/?p=1394


蛇(素材使用)


「TOCANA」の記事中には遺伝子組み換えに対するほど

リスク・安全性に関する厳しい規制
をかける必要はない、と欧米では決定されそう、という記述も見受けられる。

 なぜかというと
ゲノム編集の原理を考えれば、自然に起こっている突然変異とそれほど変わらないのだから、GMOのような厳しい規制は必要ない
という言い分なんだそうですが。

 素人考えとゆわれてしまえばそれまでなんですが…頻度そのものが自然界ではあり得ない規模での編集がそもそも可能だという時点で、リスクもそれに伴って自然界では考えられない規模で増大するんじゃないか、とか…

「たねっと」の記事に
このいわば副作用のような現象が、新たに作られた新品種に生じていないかどうかを実験室で十分に検証しないうちは、その新品種を試験栽培に利用することには慎重であるべきではないか
という提言のような文言が記されているけど。

 こういう倫理的な提言なんざ無視して突っ走っちまった結果が遺伝子組み換え作物の分野で噴出している諸問題なんじゃないかと考えると、ゲノム編集においてもこういう危惧がまともに機能すると期待できるのかどうか。

 疑問にしか、感じられない、正直な話。

キマイラ(素材使用)


 事実、同記事の最終段において
オフターゲット変異の検証法にしても環境への影響の検証法にしても、多くの国では合意はない。科学者自身も、生態系に及ぼす影響について真摯に検討している様子は見えない。
という、とても看過できない指摘が見受けられる。

 リスクに対するルールを作り自律していくことが肝要であるという趣旨の文言も見受けられるが、そんなものが実際に期待できるかどうかは現実を鑑みれば答えは明らかなんじゃないか…

 …という絶望的な結論に至らざるを得ない、とするのは、時期尚早でせうか?



 わしらの心配など気にもとめずに利益追求型の暴走が、それも企業のみならず国家も一体となって敢然と決行される構造と、その結果としてわしらが被るさまざまな被害。

 この手の構図なんざ、公害公害と大騒ぎされたかつての日本や現代の中国などきわめて身近な部分で実例に事欠かないんじゃないか、とか。



極大(素材使用)


「ゲノム編集 デメリット」というキーワードでググってみたら、いちばん上に出てくるのが、おなじみのリスティング広告。

 広告出すんならキーワードくらいきちんと選定しろよ、といいたいところなんですが…

 ま、内容見ると研究者向けの広告みたいですけどね。



 倫理的な点として、デザイナーズベイビー(それとも、コーディネイターとでも称したほうがいい?(`▽´))に対する懸念もあるけど、この点はそのうち項を改めて言及したいと思いますので本日は略。

 ちょいとだけ触れておくと、そんなに簡単にできるシロモノではない、という見解を見つけました。



 遺伝子組み換え作物の騒ぎの内容は、期待していた効果はほとんど実現せず、コストと後戻り不可能な状況ばかりが残されたという、はなはだ腰砕けで理不尽なものでありましたが、果たして、ゲノ編は。




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 地球が壮大な遺伝子実験場とかありがちな設定をどうにかしてきてみるので本日は以上。
 最後まで読んでくれてありがとう。
 それでは、また~(^_^)/~~